熱帯にカモはないだろう
　ガイドさんは大きな池でくつろいでいるカモを指さして、『このカモも珍しいよ』 というのだが、熱帯にカモはないだろう ・・・ という先入観があって 『彼らは野生ですか？』 と聞いたものだった。　『もちろん』 と応じてきたのだが、動物園でカモでも見ているような気分で、初見だったにも関わらず、そのとき気分の高揚感はなかったのだった。

　それ以前以後、マレーシアの各地を訪れたが、このカモに出逢っていないことを考えれば、ここは彼らのガイドとしての切り札の一つだったかも知れない気がする。　また、そこで数種類のカワセミの仲間も見つけてくれた。

　確かに、ただの観光地を巡る旅では出逢うこともなかったかも知れない。　そうでなくても、歴史的な遺跡や歴史地区といった観光の目玉にするものが少ないお国柄だ。　バードウォッチングという視点があったからこその出逢いといっていいだろう。

　またとある機会ではない筈なのに ・・・ 精一杯、私たちを喜ばせようと案内してくれているのに ・・・ 私は驚き逃げ回ることをしないカモたちを見下していた ・・・ そこには、見たこともないような平和な自然があったのに ・・・

　cf. 自然の富

リュウキュウガモがいた池

ランカウイ島　2010/06/01　Photo by Kohyuh

★同定の理由　*212
　・茶色の頭部に黒っぽい小さな冠羽
　・赤茶色の体下面




★渡り　by Wikipedia　*201　*212
　インド亜大陸、大スンダ列島、小スンダ列島西部では留鳥として生息する。　また、中国南部で繁殖し、冬季には南部や南西部に移動する。　東南アジアでは局所的に留鳥として普通に見られる。




★食べもの *201
　リュウキュウガモは、主として草、米やその他の種子などを採餌するが、その他にも、水辺のカタツムリ、昆虫といった 無脊椎動物 やカエルなども捕食する。




★名前の由来 *31
　リュウキュウガモは江戸時代後期から 「ひすいがも」 の名で知られていた。　背部の羽色の暗灰色が光の加減だろうか、翡翠のような色合いに感じたようだ。